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ついでに色々書いてみる2魔王の続編といわれるモダンタイムス。 こちらは魔王と違い、普通に楽しめた。 今から50年後の世界はどうなっているのだろう。 多分今では想像できない世界が広がっているのだと思う。 だけれども変わらないこともあって、俺は俺で、俺は俺の口で話していて、 俺は俺の足で歩いているはずである。多分、歩くこと、話すことはなくならないと思う。 伊坂の描く50年後の世界は、全てが監視された社会であった。 「わからないことがあれば検索」し、そのログにより全てが監視される。 個人は自由に生きているようで、実はそうではない。 この作品で彼が描きたかったことは、個人個人は自分の仕事をしているだけなのに、それを鳥瞰的に見たときには全体の一部であり、個人の感じている役割とは全く違うものを演じているというような、所謂システム論の話であった。 主人公である彼の友人は、ある検索ワードを入力したことで命を狙われる。 そのワードは所謂タブーであり、「誰か」にとっては隠しておきたい過去であった。 知られるべきではない情報を隠し、新たな情報で記憶を塗り替える。 この作業が当然のように行われる状況を、彼らは気づかずに過ごしていた。 そして気づいたときには命を狙われる。 やがて主人公達はその真実へと近づいていく。 彼らが戦っていたものはどこかの「誰か」ではなく、もっと強大な「誰か」であった。 結局の所彼らは、勝つわけでも負けるわけでもない。 ただ時には「見て見ぬふりも勇気」だったり、「勇気は妻が持ってたり」する。 「誰か」を雇う「誰か」は「誰か」に雇われ、「誰か」の名で動いていく。 世の中は誰が動かしているのかということを、たまに考えることがあった。 自分に指示を出す人間の上にいる人間をたどっていけば、どこかの「誰か」一人に行き着くような気がしていた。でも実際はそうではなくて、人の行動一つ一つがアートのように世界を作り出している。人の良い行動が青だとし、悪い行動が赤だとする。多分全員がよい行動を取ったところで綺麗なアートにはならない。悪い人がいたり、サボる人がいるからこそ、全体は上手く回る。多分世界ってそんな感じなんだろうと、この本を読みながらちょっと考えた。
by pyababy
| 2008-12-09 00:32
| 本
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