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日々垂れ流し。
by pyababy


ついでに色々書いてみる3

ゴールデンスランバー

伊坂 幸太郎 / 新潮社



伊坂シリーズ第三弾。
本や大賞受賞であったり、このミス一位だったりと何かと話題の本。
それだけあって、面白さには申し分ない。

首相暗殺の疑いをかけられた主人公が、情報化社会の中を必死に逃げ延びる。
モダンタイムスと中身が似てくるのだが、「誰か」の陰謀により犯人に仕立て上げられた主人公は、やがて本当の犯人にされてしまう。

マスコミに対する情報操作により、無実の人間が犯人になる。
そして彼を犯人に仕立て上げるために、色々な人間が駒として使われる。

しかし彼には敵だけだったわけではない。
彼を知る人間は彼の無実を信じ、やがて彼に協力していく。権力の監視下における協力故に直接の協力はできないものの、陰で彼を支えていく。

やがて彼は一つの選択をする。
自首をするといった選択である。

しかし普通に自首をするのではないのが、伊坂らしいところ。
事前の複線により最後の落ちはわかるのだが、それでもwktkしてしまう。
落ちはさすがにいえないが、たいへんよくできましたといっても過言ではない作品である。


今の情報化社会というのは、正直なところ怖い。
個人の口から発せられた事実よりも、ネットの情報の方が正しく感じられてしまう。
学校裏サイトなどはその典型だと言える。ネットのみんなが言っていることは、周りの一人が言うことよりも正しく感じてしまう。

やがて自分の情報が改変され世界へ発せられるとしたら、本当に怖くなる。
いつの間にか自分の人格が一人歩きし、本当の自分が誰だかわからなくなる。

そこでとれる手は、情報化社会から身をひくか、その中で戦うかである。

この辺の主題に近い部分は、モダンタイムスと相当かぶってくる。伊坂自身もモダンタイムスと兄弟のような作品というだけあって、あながちそれも間違いではない。

ただ一つ言えることがあるとすれば、痴漢は死ね。
by pyababy | 2008-12-09 00:44 |
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