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日々垂れ流し。
by pyababy


空に生きる子供たち。

スカイ・クロラ (中公文庫)

森 博嗣 / 中央公論新社



森博嗣の本は、実は初めて読んだ。
前々から読もうと思いながら、同姓同名の知り合いがいることもあって避けていた。

映画にもなったこの話は、タイトルだけは知っていた。
読んでみようと思いながら、3年くらい経ったと思う。
もう少し早く手に取っておけば良かったと素直に思った。

著者の手法なのだろうが、謎が謎のままで物語は進んでいく。
そこに違和感を感じながらも、多分そこが惹き付けられる要素なのだと思う。
僕らが日常で生きる中で、謎がその都度解決するわけもないし。
だからある意味で、主人公と同じ目線で生きられる。

内容自体は割愛するが、生きることと死ぬことというよくあるテーマを、
死なない人間という観点から描いている。

死なない人は何を思うのか。
死にたいときには何を思うのか。

読みながらそのようなことを問いかけていたが、ナンセンスだと思った。
僕は所詮年をとり、死ぬ人間であったから。

死なないとわかっていたならば、多分僕は生きないだろう。
逆説的かも知れないが、死ぬとわかっているから生を選択するのだろう。
この前提の違いは、多分全ての行動に差異を生むと思う。
生きるための選択か、死ぬための選択かという対極の選択を行うことになるから。

人は何のために生き、何のために死ぬのか。
そこは誰しもが問うテーマであろう。

僕としては、生きる理由ができたから生きるという答えに尽きると最近は思う。
by pyababy | 2009-04-20 18:38 |
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