今から1000年後の日本を舞台にしたSF小説。
1000年後の世界では、呪力と呼ばれる超能力を使える人間のみが生活している。そしてその人間達に仕える家畜として、バケネズミと呼ばれるもの達が存在している。本来なら人間に仕えるはずのバケネズミが反乱をおこし、それらに主人公達が対抗していく物語。
なぜ呪力を使う人間しかいないのか。そして、バケネズミとは何なのか。
物語が進むにつれて解き明かされていく謎が、読後に様々なことを考えさせる。
合理化を進める社会に潜む問題点や、今の社会に溢れる差別、偏見、その他諸々の歪みなどを見事に風刺しきったSF小説といえ、他のSFとは一線を画するモノであったように思う。
1100ページとボリュームは多いが、十分楽しめる小説であった。