日本語が亡びるとき を読もうと思ってたんだけど、
図書館で貸し出し中だったから先にこっちを。
水村美苗の文章は、何故だか苦手だった。
苦手だから逃げるのは嫌いなので、ひとまず最後まで読んでみた。
苦手な理由は、後半にさしかかったあたりで見つかった。
彼女の文章は、彼女の世界が語られているだけだから。
要するに彼女の経験したことがベースに書かれているから、
それと同じものを経験していない僕にとっては、
全て未知のものであり、わかりにくい文章になっているのであった。
もちろん彼女の文章は巧いし、読んでいて面白い。
そして的を得たことを書いているし、論理的にも正しい。
ただ、多分これは僕が男で、彼女が女なのだからだろうが、
感じる世界や見てきた世界が違いすぎるために、
僕は彼女の言葉を理解するためのベースを持ち得ておらず、
結果として苦手な文章になったのだと思う。
多分この辺は、色々なことを経験して行くにつれて、
良い文章だと思うようになっていくのだと思う。