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比べてしまうこと。

FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品が、深夜に放送されている。

昔は全然好きではなかったジャンルだが、今はドキュメンタリーというジャンルがすごく好きである。他の映像と違い、制作者の「意志」を感じる映像だから好きなのだと思うし、作り手が「伝えたい」と思うことを、映像という形で伝える行為自体に魅了されているのだとも思う。だけれども世間一般には面白いモノと思われていない節があるため、深夜の視聴率の低い時間帯に放送されるのだろう。

その中のひとつの作品に、病気に冒される女性の作品があった。
彼女は病気のために、普通に生きるという行為が徐々に難しくなっていく。その様子を克明に記録していた作品だった。普通に働くことや、普通に友達と遊ぶことが、自分の意志に反してできなくなっていく彼女を見ているのが、少し辛かった。

その作品の中で彼女が話した言葉がすごく印象的だった。
「比較しちゃいますよね。友達とは。」

何気ない言葉なんだけど、僕にとってはすごく重い言葉に思えた。
今の自分の現状を普通に生きている友達と比較してしまうからこそ辛くて、もちろん普通に生きたい自分がいて、それなのに、普通に生きることのできない自分がいる。その辺の葛藤や辛さ、そして諦めや羨望なんかが全て詰まった言葉のように聞こえた。

普通に生きること。
これってすごく簡単で、当たり前のことだと、小さい頃は思ってた。だけれども、普通に生きることは本当に難しいことで、そうやって生きてこられたことがどれほど幸せなことだったのかと、今は思っている。普通に生きたい。そうやって思う人が、普通に生きられる世界になればいいなと思う。
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by pyababy | 2009-10-26 01:36 | 日常

麻薬取締官。

麻薬取締官 (集英社新書)

鈴木 陽子 / 集英社



友人からのすすめで。

自分の知らない職業の人は、どのようなことをしているのだろうかという興味から読んだ。

本書の内容としては、職業についての紹介というよりも、麻薬撲滅のために著者なりにできることは何かといった観点から書かれているものが多かった。とはいえそれらは僕には今までほとんど触れたことのない世界のことであるがゆえに、面白く読むことが出来たのと同時に、麻薬の恐ろしさというモノを肌で感じることができた。

覚醒剤の起源は日本であるという事実や、あまりにも身近に存在する麻薬の存在というモノに驚かされながらも、麻薬撲滅に向ける著者の意志が、ひしひしと伝わってくる本だった。

自分にできることは何だろう。
そして何をしなければいけないのだろう。
そんなことを著者の文章は思い起こさせてくれた。
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by pyababy | 2009-10-25 23:41 |

自殺の周辺。

自殺の周辺―新聞記者の取材ノートから

無明舎出版



秋田県における自殺者の「周辺」に関する新聞記事を集めた本。

新聞の連載にも、たまに面白いモノが存在する。
本書の元となった連載もそのうちのひとつだと思う。

新聞だから伝えられるタイムリーな内容であったり、
読者との双方向なコミュニケーションから生まれる新しい企画記事なんかは、
他のどのメディアにも存在しない良さだと思う。

自殺大国日本において、一番自殺率が高い県が秋田県だという事実。
その裏にある何かを突き止めようと、
そして自殺をひとつでも食い止めようと、
記者達が必死になり記事を書いていた姿が目に浮かぶ本だった。

伝えたいことがあって、伝えられる媒体を持つ人間が羨ましいと思うときもあるが、
それらを持ちながらも伝えることができないときに感じる無力感と、
僕は上手くつきあえる自信はない。
ゆえに、伝えられなかったとしても、伝え続けようとする彼らの強さが羨ましいなと思う。
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by pyababy | 2009-10-25 23:26 |

生と死の教育。

生と死の教育 (シリーズ教育の挑戦)

アルフォンス・デーケン / 岩波書店



デスエデュケーションに関する本。

子どもにいかにして「死」という概念を教えるのかという、
教育的観点から死の概念について述べてある。

日本って「死」をタブー視しすぎているから、
「死」に関する教育が少ないのかなあと思う。

本書によれば他国においては日本とは全く違う
「死についての教育」が存在していた。

そこでは「死」を真っ正面から受け止められる人間をつくろうとする姿勢が見受けられ、
日本においても参考にすべき点は多いように感じた。
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by pyababy | 2009-10-25 23:18 |

伝えたいことを伝えること。

自分の「伝えたいこと」を相手に「伝える」ことが、
何故これほどまでに難しいのかということを考えさせられる日々が続く。

去年自分が参加していたモノに、今年はアドバイザー的な立場で参加している。
去年とは違い、上手に伝えられるようになったと思うことは多い。
だけれども、それでも全然伝え切れていない部分が多々あって、
自分の未熟さが自分で厭になる。


人に何かを伝えるときに一番大切なことは、
「何を伝えるか」を確定させ、言語化することだと今更ながら思う。

文章用語でいえば、「トピックセンテンス」といったものになるのだろうか。
それが決まらなければ、そもそもの伝える前提に欠けるため、何も伝えられない。

このステップの中では、言語化という行為が非常に難しいと感じる。
自分の中にあるイメージを、相手の中にあるイメージと同化させるために、
僕らは自分の言葉をひねり出していく作業のことだと僕は認識している。

そのためにはイメージを具体化していく作業も必要になるし、
イメージの特徴を抜き出し、一つひとつ言葉に置き換える作業も必要になる。


相手にとっての理解と、自分にとっての理解はイコールになることはない。
この前提も非常に大事だと今は思っている。

生きてきた時間、思考のバックグラウンド、全てが違うのが人間である。
それゆえに、同じ事象を観察していたとしても、人によって理解は異なる。
同じ言葉であっても理解は異なる。


それをできる限りコントロールしなければならない。
人に何かを正確に伝えるためには、相手の頭の中身を知り、
それに対して的確にアプローチを仕掛けなければならない。

僕は自分の頭の中身と、相手の頭の中身はイコールであると考えてしまう節がある。
そうではなくて、一人ひとり考え方が違うということは肝に刻んでおきたい。

まとまらない。
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by pyababy | 2009-10-20 21:02 | 日常

夢をかなえる洗脳力

夢をかなえる洗脳力

苫米地 英人 / アスコム



最近何かと話題の苫米地さんの本を初めて読んだ。

内容は、今が一番幸せな状態だと頭の中を「洗脳」すれば、
幸せに生きていくことは可能であるといったことを述べている。

初めの方は「何いってんだこいつ・・・」なんてことを思ってしまう文章なのだが、
中盤から後半になるにつれて、著者のいわんとすることが理解できてくる。
理解が進むにつれて、次第に著者の思考が正しく思えてくるのが驚きであった。

本書では所謂自己啓発本を否定しまくるのだが、その否定っぷりがあまりにも
「もっとも」な意見故に、読んでいて面白かった。

目標を紙に書くのは意志が弱い人間がすることだ!だとか、
お金で買えるのは夢でも何でもない!!だとかの意見は、
成功至上主義の世の中において異端ではあるが、
普通に頭を使って考えるとたどり着く結論である。
そんな当たり前の事実すら碌に考えずに、
自己啓発本を鵜呑みにしてしまう人間が多いのは、
今の日本の問題点なんじゃないかと思ったりもした。

でも結局は、「オレの頭は世界一!!!」なんてことを著者自ら言っている本なので、
著者のそんな態度にイラッと来る人にはお勧めはできません。

普通の自己啓発本に飽きて、人生に悩んでいたりする人には、
そのしょーもない悩みをズバッと切ってくれる名刀であるように思えました。
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by pyababy | 2009-10-15 10:56 |

オレ様化する子どもたち

オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ)

諏訪 哲二 / 中央公論新社



読んでいて非常にイライラした。

子どもの自己が云々ということを語っている著者が、
一番思考が凝り固まっているように思えたからだ。

教育問題というのは僕はよくわからない。
というかそもそも問題なのかもよくわからない。

この本の立場は、どちらかといえば子どもが悪いといった感じであった。
しかし普通に考えるならば、子どもがこのように育ってしまった社会の方に問題があるといった結論に達すると思うのだけれども、何故だか社会や親が育てた結果である子どもが悪者にされてしまっているのがなんとなく理解に苦しむ。

教育に関して考えるときに、僕には一人理想の教師が存在している。
それは伊坂幸太郎の小説「チルドレン」に出てくる陣内である。

彼は、ありのままの子どもを受け止める。
というか、子どもだろうが大人だろうがなんだろうが、
自分の目で見たことを元に、人に対して対応していく人間なのである。

これって人間に対する当たり前の対応だと思うんだけど、
今の世の中だとなかなか取ることができない対応だと思う。

その人を評価するときに、その人そのものじゃなくて、
その人が所属する団体であったり、立場であったりといった、
その人以外の何かで評価してしまう癖が身についてしまっているからだ。

だから僕らは「17歳の少年」といった言葉を使いたがるし、
「団塊世代」といった言葉も使ってしまうのである。

そこに存在するのは一人ひとりの人間のはずなのに、
あくまで「17歳」なのである。

その辺の認識が変わっていけば、世界って良くなるのになと思う。
なんかまとまらないな。
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by pyababy | 2009-10-14 22:43 |

図書館を使い倒す!

図書館を使い倒す!―ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」 (新潮新書)

千野 信浩 / 新潮社



資料を調べる際の図書館の有用性を述べた本。

現在はネットで資料を探すことがメインとなりつつあるが、
調べる対象によっては明らかに図書館の方が便利な場合が多い。

しかし僕らは図書館の使い方をきちんと理解していないために、
目的とする資料を見つけることができていない。

その状況に喝を入れることを目的に書かれた本であった。

餅は餅屋という言葉が似合うのが、現在の情報検索なのだと思う。
ネットにはネットの利便性があるし、図書館には図書館の利便性がある。

ネットにはGoogleやYahoo!があるように、
図書館にも国会図書館や専門図書館が存在する。

目的とする情報を手に入れるためには「どの餅屋」を使えばいいのか。
そこを理解することが大切であるように思う。

そのためには、各図書館やメディアの特徴を把握しておく必要がある。
情報の引き出し方を知っているということは、
現在において大きな武器になるといったことを感じさせてくれる良書であった。
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by pyababy | 2009-10-14 22:25 |

READING HACKS!

READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣

原尻 淳一 / 東洋経済新報社



所謂読書「技術」の本。

先日読んだ「知的生産の技術」の中で、このようなことが述べられていた。
「栄養学と食味評論とがはっきりちがうように、読書論においても、技術論と鑑賞論とは、いちおう別のこととかんがえたほうがいいということなのである。」(p98-99)

世界にある多くの読書についての本は、鑑賞論にあたる。
その割に、読書の方法などといったタイトルがついているから、たちが悪い。
中身は大抵著者のオナニー読書遍歴である。
こんなものを読んだところで、何も得ることはない。
強いて言えば、読書リストが手に入るといった具合だろうか。

そのような本とは違い、「読書技術」に徹してあるのが本書である。
本との仲良くなり方から始まり、いかにして情報を読み取るのかといった技術論が89のハックという形で述べられている。それら一つひとつのハックは細かくまとまっており、非常に読みやすいものとなっているが、内容はそれなりに濃い。

とはいえ、僕にとってはこれらのスキルはほとんど既知のものであった。
というよりも、読書を続けていく中で自然と身につけたスキルがほとんどであった。
それゆえに僕にとって本書の価値はあまり高くないのだが、今まで自分が「知らず知らずの間」に身につけてきた「読書技術」を体系的に纏めてくれている本という観点から見れば、良書であったと言えよう。しかし対象は「ほとんど読書をしたことがない人」だと思うので、自称読書家の人にとって見れば、あまり新鮮味はないと思われる。自称読書家の方は、素直に「本を読む本」を読めばいいと思う。

本書の中で2点これから意識しておく点があったので、記しておく。
「学生の頃は、読書は時間無制限一本勝負でした。・・・(中略)・・・でも、ビジネスマンの読書は常に「時間制限一本勝負」ではないか」

「アウトプットを生むために読む」
この二点はこれから意識して行きたいところである。

本書の最後に読書術についての本の紹介があるのだが、
残念なことにほとんど読んでしまっていたという。

しかしなんというか、著者との考え方の近さに驚かされた本であった。
ケータイの活用とか、本の引用する部分とか、その辺が似通っていた。
いかに効率的に、合理的に生きようとすると、そうなるのかもしれない。

最後にショペンハウエルの『読書について』から引用して終わり。
「読書にいそしむかぎり、実は我々の頭は他人の思想の運動場にすぎない。そのため、時にはぼんやりと時間をつぶすことがあっても、ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失って行く。」
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by pyababy | 2009-10-13 11:15 |

数学的思考力ってなんだ。

細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!

細野 真宏 / 小学館



前々から読もうと思いつつスルーしていた本を、
たまたま友人が持っていたので即借りて、即読んだ。

内容としては、問題の解き方とか、文章の読み方書き方以前の、
ものごとをどのようにして考えていくのかという思考方法が載っている。

思考方法に関して書いている本というものは色々あるのだが、
それらは何故だか大抵難しい言葉ばかり並べて、内容がなかったりする。

しかし本書は、小学生でも読めるレベルの日本語であるにも関わらず、
著者のいう「数学的思考力」を理解していくことができるという点で優れている。
数学的思考力と書くとわかりにくいが、論理的思考力と置き換えて問題ない。

本書の良い点は、論理的思考の解説に終わるのではなく、
それをいかにして世の中で応用していくのかという点を解説している点にある。

それゆえに本書で身につけた知識を、
そのまま生活に応用していくことができる。

さらっと読める割には内容は濃いし、
論理的思考の入門書としては良書だと思う。おぬぬめ。
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by pyababy | 2009-10-11 21:51 |